2010/9/3
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インナーチャイルド 葛野薫 |
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その日は、前世療法ヒーリングをもういちど受けたいと思って出掛けました。 時間が少し余ったので、途中コンビニに寄りました。 一瞬、ケーキを買おうかなぁ、と思ったのですが、なぜかやめました。 サロンに着いて、前世ヒーリングをお願いしたら、インナーチャイルドを勧められました。 ちょっと迷ったのですが、これも必要なことかも、と思い、お願いしました。 傷ついた自分の中の子供と逢ったとき、私は4、5歳の子供で、母と妹と3人で車の中にいました。 不意に、母が、「新しいお父さん、欲しい?」と聞いてきました。 私は、「(お母さんが欲しいなら)いいよ」と答えました。 妹は、無邪気に「いらな~い! お父さん、もういるもん!」と答えていました。 「そうだよね」と母は答えました。 でも、私も本当は、お父さんはいらないと思っていました。 そんな頃から、自分の意見は言わずに大人の意見に沿うようにしていたのかと思うと、涙が出てきました。 本当は、要らない。 いらないって思ってるのに、言えない。 母の複雑な感情、独りでいることの大変さ、そんな様々な感情を自分も感じていました。 本当は、私も甘えたかった。もっともっと、甘えたかった。でも、その時の私には、それができなかった。 セッションは進み、次に自分に逢った時、私は3歳くらいの子供でした。 波打ち際に、独り、砂をいじって遊んでいますが、どこか寂しそうで、大人の私が近づいても、気配は感じているのに、反応してくれません。 話しかけても、近づいてしゃがんでも、独りの世界から出てきてくれないのです。 大人の私は、ただ黙って一緒に砂をいじり始めました。 少し距離が近づいた気がしたので、もう一度、話しかけると、目は合わせないけれど、かすかに応えてくれました。 こちらの言うことは素直に聞いてくれます。 でも、恥ずかしそうに手元を見たまま、自分からあれこれと、子供らしく遊んでくれることはありませんでした。 大人の私は、子供の私に、本当はどうしてほしかったのか、聞いてみました。 すると、言葉ではなかったのですが、本当は、お父さんは死んだお父さんしかいないこと、でもそう言えなかったこと、寂しくて甘えたくて、でもそんな気持ちも素直に出せなかったことなどが、ひしひしと伝わってきました。 私は、その子を抱きしめました。 そうだよね、寂しかったよね。もっと愛情が欲しかったよね。と。 少しだけ元気になった気がしました。 そして、死んだお父さんが現れました。 お父さんから、「家族を頼む」「いつも守っているよ」とメッセージをもらいました。 そして、紙と鉛筆を受け取りました。 父は、絵が上手な人でした。 私にも絵を描くように言われた気がしました。 久しぶりに父のエネルギーを感じて、心がとても穏やかになりました。 時々は、子供の自分と遊んであげようと思いました。 セッションが終わった後、オレンジジュースとケーキをいただきました。 セッション前、ケーキを買おうかと迷ってやめたので、必然だったような気がしました。 子どもは何も言わなくても、心の中に多くの想いを抱いている。 言葉もなく傷つくこともある。 守り方もわからずに、ただただいろんなことにさらされている。 そんな自分を抱きしめてあげよう。 時にはゆっくり、休ませてあげよう。 心を癒してあげよう。 自分を大事にしてあげよう。 そんなふうに思えたセッションでした。 |
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